Free八戸港に謎の標柱漂着 「十年後の再会を誓って」 タイムカプセル目印、津波で流出?

八戸市第3魚市場前に流れ着いた目印のような角棒。学校名などの記載はない=25日、八戸市
八戸市第3魚市場前に流れ着いた目印のような角棒。学校名などの記載はない=25日、八戸市

「タイムカプセル 十年後の再会を誓って」―。25日朝、八戸市白銀町の市第3魚市場前に、こう記載された謎の標柱が流れ着いた。文章の内容から、児童や生徒がタイムカプセルを埋めた場所を指し示す目印とみられる。開封予定日が2012年8月だったため、発見者は「時期的に考えて、東日本大震災の津波で流出したものかもしれない」と推測。持ち主につながる手がかりが見つかることを期待する。

 発見された標柱は、長さ2メートル弱でアルミ製とみられる。25日午前8時半ごろ、同魚市場前の海面に浮遊しているのを、八戸魚市場の林崎孝志さん(57)が発見し、引き上げた。

 標柱には他にも「二〇一二年八月十四日 正午開封予定」「平成十三年度 三学年 一七二名」「『がんばるおれたち』」とあり、4面全てに文字が記されている。

 震災の津波で流出した可能性もあるが、漂流した経緯は現時点で不明。情報が断片的で、学校名や市町村名などを特定できるものはなく、タイムカプセルの開封が行われたかどうかも分からない。

 タイムカプセルの開封予定日から間もなく10年、埋めた時期から20年。予期せぬ漂着物に林崎さんは「開封予定日にみんなで集まる予定だったのかもしれない」と思いを巡らせる。

 漂着物は漁船の邪魔になるため、通常は回収して処分するが、標柱は市水産事務所で保管。林崎さんは「誰か標柱の行方を気にしている人がいるかもしれないと思ったら、捨てられなかった。無事に持ち主が見つかってほしい」と願った。

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