Free機関車DC351の五戸帰還 花火でお祝い 車両に屋根かけ保存へ

ライトアップされたDC351の上空に打ち上げられた花火
ライトアップされたDC351の上空に打ち上げられた花火

1968年に発生した十勝沖地震の被害を免れ、4月に五戸町へ戻った旧南部鉄道のディーゼル機関車「DC351」の帰還を記念する式典が16日、ごのへ郷土館で開かれた。当日は地震発生から54年。参加した関係者や町民らが当時に思いをはせ、車両の帰還を祝った。

 南部鉄道は地震で甚大な被害を受け、69年に廃線となったが、DC351は67年に日本冶金工業(東京)へ譲渡されており、難を逃れた。退役後は加悦(かや)SL広場(京都府与謝野町)に展示。2020年10月に町が無償で譲り受けた。

 町主催の式典には関係者45人が出席。地震発生時刻の午前9時49分に黙とうをささげた。若宮佳一町長は「町に鉄道が存在した歴史を学ぶ機会をもたらした」とあいさつ。今後は防災教育などに活用するため、車両に屋根をかけ、エンジンや警笛を整備して保存する構想を明らかにした。

 かつてDC351の運転士を務めた、同町の高橋與志夫さんは「五戸の交通産業発展の象徴。戻ってきてくれてうれしい」と感慨深げに車両を見つめた。

 夜は、ごのへ郷土館管理運営委員会(三浦房雄委員長)主催で花火の打ち上げを実施。地元の45個人・団体から寄付を得て実現した。ライトアップされた車両の上空に花火が打ち上げられ、帰還に花を添えた。

 
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